ファースト・ネームまたはニックネーム

ロータリーの初期の頃から、会員はお互いにファースト・ネーム(名前)で呼び合っていました。個人的な付合いと友情がロータリーの土台ですから、多くのクラブが会員同士の会話では公式の肩書を無視して使わないという慣例を採ったのは自然なことでした。通常の生活では博士、教授、殿、閣下、卿などの敬称をつけて呼びかけられる個人も、他のロータリアンからはファースト・ネームで、ジョー、ビル、メリー、カレン、チャーリーなどと呼ばれるのが普通です。ロータリー・クラブ名を記したあの特徴あるバッジ(記章)がこのファースト・ネームで呼び合う習慣を促進しているのです。
 地域によっては、ヨーロッパのように、会員同士を呼ぶのに、もう少し公式的な呼び方をしているところもいくつかあります。その他の地域、主にアジアの諸国などでは、新入りのロータリアンにそれぞれ個人的な特徴に関係あるような、または、その会員の仕事や職業を表すようなユーモアたっぷりの愛称を献上するという習慣のあるところがあります。「オクシジン(酸素)」というあだ名の会員は化学ガス製品のメーカーであり、「ツリー(木)」というあだ名は材木屋のロータリアンに与えられ、「ビルディング」は建築請負い、「ペーパー(紙)」は文房具や事務用品の小売商といった具合です。また他の会員の持っているあだ名にはその人たちの身体的特徴を説明したもの「マツスル(筋肉)」、「フオグホーン(霧笛)」、「スマイル(ほほえみ)」などがあります。
 愛称で呼び合うことは親睦の源泉ともなります。ロータリアンは、ファースト・ネームあるいは愛称で呼ばれても、それから生まれる友愛の精神は、人助けを実践する奉仕の扉を開くものとなるのです。